Excelで、勤務時間や作業時間などの管理を行う際に「15分単位」「30分単位」で時間を切り上げ・切り捨てる処理が必要になることがあります。
この記事では、Excelで時間を丸める方法について初心者の方にもわかりやすく解説します。
Excelで時間を丸めるとは?
15分単位・30分単位で切り上げ・切り捨てする目的
勤務表や作業報告書などでは、時間を細かく扱うのではなく、一定の単位で処理することがよくあります。
例えば「10:07」は「10:15」に、「12:43」は「12:30」に丸めるといった具合です。
よくある活用シーン
- 勤務時間を15分単位で集計
- 会議時間や利用時間を30分単位で請求
- 残業時間の計算
Excelで時間を切り上げる方法
使用する関数(CEILING.MATH関数とは)
切り上げには、Excelの CEILING.MATH 関数を使用します。
=CEILING.MATH(数値, 基準値)
- 数値:切り上げたい対象(時間)
- 基準値:切り上げの単位(例:15分なら
TIME(0,15,0))
15分単位で切り上げる式の例
=CEILING.MATH(A1, TIME(0,15,0))
A1セルに「10:07」が入力されていると、この式は「10:15」に切り上げます。

30分単位で切り上げる式の例
=CEILING.MATH(A1, TIME(0,30,0))
「12:43」は「13:00」に切り上げられます。

注意点とエラー対処
数式を入れたセルが少数(0.65625など)で表示される場合は、セルの表示形式を「時刻」に変更しましょう。
- セルを右クリック → 「セルの書式設定」

- 「表示形式」タブ → 「時刻」を選択

Excelで時間を切り捨てる方法
使用する関数(FLOOR.MATH関数とは)
切り捨てには FLOOR.MATH 関数を使用します。
=FLOOR.MATH(数値, 基準値)
- 数値:切り上げたい対象(時間)
- 基準値:切り上げの単位(例:15分なら
TIME(0,15,0))
15分単位で切り捨てる式の例
=FLOOR.MATH(A1, TIME(0,15,0))
「10:07」は「10:00」に切り捨てられます。

30分単位で切り捨てる式の例
=FLOOR.MATH(A1, TIME(0,30,0))
「12:43」は「12:30」に切り捨てられます。

セルの表示形式を時刻に変更する方法
表示が数値になっている場合は、時刻表示に切り替えることで見やすくなります。
CEILING.MATHとFLOOR.MATHの違いと注意点
旧関数との互換性
Excel 2013以降では CEILING.MATH/FLOOR.MATH が推奨されていますが、旧バージョンでは CEILING/FLOOR 関数も使用可能です。
基本的な動作は同じですが、旧関数は負の値の処理が異なるため注意が必要です。
Googleスプレッドシートの場合
Googleスプレッドシートでも CEILING.MATH や FLOOR.MATH 関数は使用可能です。
Excelと同様に TIME 関数と組み合わせて、15分や30分単位での丸め処理ができます。
=CEILING.MATH(A1, TIME(0,15,0))
=FLOOR.MATH(A1, TIME(0,30,0))
シート上でもExcelと同じように数値が表示される場合は、セルの表示形式を「時刻」に変更することで、正しく時間として表示されます。
詳しくは以下の公式ヘルプを参照してください:
よくある質問(FAQ)
- Q関数を入れたら数値になってしまいます。どうすれば?
- A
セルの書式設定で「時刻」に変更してください。
- QCEILING.MATHが使えません。
- A
Excelのバージョンが古い場合、
CEILINGを使ってみてください。
- Qマイナスの値を処理したい場合はどうすれば?
- A
CEILING.MATHやFLOOR.MATH関数には「モード引数」(第3引数)を指定することで、負の数の丸め方向を制御できます。例:
=CEILING.MATH(-2.5, 1, 0) ' → -2 に切り上げ(ゼロ方向) =CEILING.MATH(-2.5, 1, 1) ' → -3 に切り上げ(遠ざける方向)このように、負の数を扱う際は、モード引数の指定によって結果が変わる点に注意が必要です。
まとめ|時間の切り上げ・切り捨てを正しく使いこなそう
Excelでの時間の丸め処理は、関数を使えば非常に簡単です。勤務時間の集計や請求業務の効率化に役立ちます。表示形式の設定や関数の違いに注意して、正確に使いこなしましょう。


