はじめに
Excelでよく使われる関数のひとつに「VLOOKUP(ブイルックアップ)」関数があります。
名前のとおり表の中を”縦に検索”して、目的の情報を取り出すときに便利な関数です。
例えば、「社員名から部署名を調べる」「商品コードから価格を調べる」といったシーンで活躍します。
このページでは関数に慣れていない初心者の方にもわかりやすく、VLOOKUP関数の使い方や仕組みを図解付きで解説します。
VLOOKUP関数とは?基本の役割
VLOOKUP関数は、指定した検索値を表の左端の列から縦方向に探して、検索値と一致する最初の値に基づき、その行の中の指定列の値を返す関数です。
🔗 Microsoft公式:VLOOKUP関数の解説
どんな時に使う?
- 商品コードから商品名や価格を調べたいとき
- 学籍番号から生徒名を表示したいとき
- 社員番号から部署を表示したいとき
VLOOKUPの基本の書式と意味
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)
引数 | 意味 |
---|---|
検索値 | 探したい値(例:社員名や商品コードなど) |
範囲 | 検索対象となる表全体(例:A2:C10) |
列番号 | 表の左から何列目の値を取得するか(例:2列目なら「2」) |
検索の型 | 通常は「FALSE」(完全一致)を使用 |
🔍「検索の型(TRUE・FALSE)」の違いについて
- FALSE(完全一致):指定した検索値と”完全に一致”するデータを探します。初心者はこちらを使うのが基本です。
- TRUE(近似一致):近い値を探してくれますが、データが昇順に並んでいる必要があるなど制約があるため注意が必要です。価格帯や評価点など、おおよその範囲で探したいときに使います。
実際の使用例
例:以下のような表から、名前「佐藤」の点数を検索する場合
A列(名前) | B列(点数) |
---|---|
田中 | 80点 |
佐藤 | 90点 |
鈴木 | 85点 |
以下のように入力します:
=VLOOKUP("佐藤", A2:B4, 2, FALSE)
→ 結果:「90点」が返されます。

ワンポイント:セル参照を使うと柔軟に
=VLOOKUP(D3, A2:B4, 2, FALSE)
※D3セルに検索したい名前を入力すれば、その人の点数を自動取得できます。

VLOOKUPがうまく動かないときの原因と対処法
エラー | 主な原因 |
---|---|
#N/A | 検索値が見つからない(表に存在しない) |
#REF! | 列番号が範囲外(例:2列しかないのに3を指定) |
#VALUE! | 数式の構造エラーや型の不一致、 範囲指定のミスなどが原因 |
よくある実務上の注意点
- 空白セル:検索範囲内や検索値に空白が含まれていると、思わぬエラーの原因になります。
- 重複データ:検索列に同じ値が複数ある場合、VLOOKUPは最初に見つけた1つ目のデータのみを返します。
対処法のコツ
- スペースや全角・半角の違いに注意しましょう
- 検索値が正しく入力されているか確認しましょう
- 「完全一致」の場合は引数に「FALSE」を忘れずに入れましょう
VLOOKUPの注意点と限界
❌ 左の列しか検索できない
たとえば、「点数から名前を探す」ような逆方向の検索はVLOOKUPではできません。
❌ 列を追加すると列番号がズレる
列を1つ増やしただけで、列番号の指定をすべて修正する必要があります。
こうした制約があるため、より柔軟な検索をしたい場合は「INDEX MATCH」や「XLOOKUP」といった関数が便利です。
INDEX MATCHやXLOOKUPという選択肢も
VLOOKUPに慣れてきたら、次のステップとして「INDEX MATCH」や「XLOOKUP」を覚えると、より自由な検索ができるようになります。
INDEX MATCHで柔軟な検索をマスターする記事はこちら
XLOOKUPでスマートな検索を実現する記事はこちら
まとめ
VLOOKUP関数は、表の中から情報を検索して取り出すための基本的な関数です。
「名前から点数を調べる」「コードから商品名を調べる」など、日常的な業務でとても便利に使えます。
ただし、使い方を間違えるとエラーになりやすいので、この記事で紹介したポイントを押さえて正しく使いましょう。
検索機能をもっと強化したい場合は、ぜひINDEX MATCHやXLOOKUPにも挑戦してみてください。