Google Apps Script(GAS)を使ってスプレッドシートやGmailの自動化に挑戦しようとしたとき、最初の実行で「承認が必要です」というメッセージが表示されて困ったことはありませんか?
この記事では、GASの初回実行時に表示される「承認」や「このアプリはGoogleで確認されていません」の意味と、安全に許可するための手順を初心者向けにわかりやすく解説します。
GASの「承認が必要」とは?初心者でもわかる仕組み解説
なぜGASでは承認が必要なのか?
Google Apps Scriptでは、Googleアカウント内のファイルやメール、カレンダーなどにアクセスするスクリプトを実行する際、セキュリティ上の理由からユーザーの明示的な許可(承認)が必要になります。
これはGoogleが提供する「OAuth(オーオース)認証」と呼ばれる仕組みによるもので、ユーザーのデータを安全に守るために導入されています。
「このアプリはGoogleで確認されていません」とは?
GASを初めて実行する際、以下のような警告が表示されることがあります:
このアプリはGoogleで確認されていません
これは、スクリプトがまだGoogleによってセキュリティ審査を受けていない状態であることを意味しています。ただし、自分で作成したスクリプトであれば問題ありません。
Googleは、悪意のあるコードがユーザーのデータにアクセスすることを防ぐため、未確認のアプリについて警告を出す仕様になっています。
初回実行時に必要な「承認・許可」の手順を画像付きで解説
ここでは、実際にGASを初めて実行したときに出てくる画面と、承認の流れをステップごとに紹介します。
ステップ1:スクリプトを実行して「承認が必要です」と表示される
スクリプトエディタ上で「関数を実行」ボタンを押すと、ダイアログが表示されます。
→「権限を確認」ボタンをクリックしてください。

ステップ2:アカウントを選択する
Googleアカウントの選択画面が表示されます。実行するアカウントを選んでクリックします。

ステップ3:「詳細」をクリックし、続行を選ぶ
「このアプリはGoogleで確認されていません」という警告画面が表示されることがありますが、左下にある「詳細」をクリックします。

続いて表示される「[プロジェクト名] に移動(安全ではないページ)」をクリックします。

ステップ4:アクセスリクエスト画面で「許可」を押す
スクリプトがGoogleアカウントへのアクセスを求めていることが表示されます。
内容を確認し、複数の許可が必要な場合は「すべて選択」でアクセスできる情報を選択して、問題がなければ「許可」をクリックします。

これでスクリプトの実行が可能になります。
実行前に確認すべき安全チェックポイント
スクリプトの中身を確認する方法
特にインターネット上に公開されているGASスクリプトを使う場合、コードの内容をよく確認しましょう。以下のようなコードが含まれている場合は注意が必要です:
- 外部のURLにデータを送信している(UrlFetchAppなど)
- ファイルを削除・上書きする処理(DriveApp.removeFile など)
- メールを送信する処理(MailApp.sendEmailなど)
自分で作成したスクリプトや、信頼できる発信元(Google公式・教育機関・著名な開発者など)のコードであれば安心して使用できます。
信頼できる情報源か確認するコツ
- 提供元の名前やプロフィールが明記されているか
- コードに十分な説明や注釈があるか
- コメント欄やレビューに問題が報告されていないか
よくある疑問と注意点(初心者の不安を解消)
- Q許可しないとどうなるの?
- A
承認しない場合、GASによるデータの読み書きや自動処理は一切実行されません。
「スクリプトを実行しても何も起きない」「エラーになる」といった状況は、未承認が原因であるケースが多いです。
- Q会社や学校のGoogleアカウントでも承認できる?
- A
管理者により制限されている場合、警告が出た後の「続行」ができないことがあります。この場合は、
- 管理者にGASの利用許可を依頼する
- 個人のGoogleアカウントで試す
といった方法が考えられます。
- Q一度許可したら変更・取り消しはできる?
- A
はい、できます。Googleアカウントの「セキュリティ設定」から、アクセスを許可したアプリを確認・削除できます。
手順:
- Googleアカウント → セキュリティ → アカウントにアクセスできるアプリ
- 対象のスクリプトを選び、「アクセス権を削除」
補足:スクリプトの種類によって承認方法が異なる場合も
GASには「コンテナバインド型(スプレッドシートなどに紐づく)」と「スタンドアロン型(単独で存在する)」の2種類があります。
スクリプトの種類によって、表示される承認画面や権限の範囲が異なることがあるため、違いを知っておくと理解が深まります。
🔽 GASのコンテナバインド型とスタンドアロン型の違いについて、詳しくはこちらも読んでみてください。
まとめ|GASの承認は正しく理解すれば怖くない
GASの初回実行時に表示される「承認が必要です」や「このアプリはGoogleで確認されていません」というメッセージは、ユーザーの安全を守るための仕組みです。
正しい手順で進めれば、安心してスクリプトを使うことができます。はじめは不安でも、一度体験してしまえば意外とシンプルです。
あなたもGASで、日々の業務や作業を効率化してみませんか?