Excelで大量のデータを扱うとき、「もっと効率的に計算できたらいいのに…」と感じたことはありませんか?
そんなときに役立つのが配列数式です。
配列数式を使えば、複数のセルをまとめて計算したり、複雑な計算を一度に実行したりできます。
特に、繰り返しの作業を減らして作業効率を向上させたい方にはおすすめの機能です。
この記事では、Excel初心者の方でも理解できるように、配列数式の基本から具体的な使い方までを丁寧に解説します。
配列数式とは?
配列数式とは、ExcelやGoogleスプレッドシートで複数のセルに対して同時に計算を行うための数式です。
通常、Excelでは一つのセルに一つの計算しかできませんが、配列数式を使えば、複数のデータをまとめて計算し、結果を一度に表示できます。
配列数式の特徴
配列数式には以下のような便利な特徴があります。
- 複数のセルに対する計算
- 例えば、売上の合計を求める場合、個別に計算する必要がなく、配列数式で一括計算できます。
- 配列の利用
- 複数のデータを範囲として扱い、複雑な計算も簡単にできます。
配列数式の使い方
配列数式は通常の数式とは異なり、特別なキー操作が必要です。
基本的な入力手順
- 配列数式を入力したいセルに数式を入力する。
- Ctrl + Shift + Enterを押す。
この操作を行うと、Excelが自動的に数式を中括弧 {}で囲み、配列数式として認識します。
ポイント
- 直接 “{}” を入力しても配列数式にはなりません。
必ず「Ctrl + Shift + Enter」を使用しましょう。
配列数式の具体例
例1: 売上の計算
以下のようなデータがあるとします。
A列(単価) | B列(販売数) |
---|---|
100 | 5 |
200 | 3 |
150 | 4 |
250 | 2 |
このデータから、各行の売上(単価 × 販売数)を求めたい場合、通常は1行ごとに計算式を入力する必要があります。
しかし、配列数式を使えば一括で計算できます。
- 売上を計算したいセル範囲を選択
- 次の数式を入力
=A2:A5*B2:B5
- Ctrl + Shift + Enterを押す
これで、各行の売上が一度に計算されます。

例2: 売上の合計を求める
全体の売上合計を求める場合も、配列数式を使えば簡単です。
=SUM(A2:A5*B2:B5)
この数式を入力した後、Ctrl + Shift + Enterを押せば、全行の売上を一度に合計できます。

動的配列数式(新しいExcelの機能)
ExcelのMicrosoft 365以降では、スピルと呼ばれる新しい動的配列機能が追加されています。
この機能を使えば、従来の「Ctrl + Shift + Enter」を押さなくても配列数式を扱えます。
例
=A2:A5*B2:B5
Microsoft 365ではこの数式を入力するだけで、自動的に複数のセルに結果が展開(スピル)されます。
配列数式を使うメリット
- 作業時間の短縮:複数のセルを一度に計算でき、手作業を減らせます。
- ミスの防止:手入力による計算ミスを防ぎ、正確な計算が可能。
- 複雑な分析:他の関数と組み合わせて高度なデータ分析を簡単に実行。
まとめ
Excelの配列数式は、複数のデータをまとめて計算したり、複雑な処理を効率化したりできる強力な機能です。
特に、繰り返しの手間を省きたい場合や、大量のデータを扱う場合に非常に便利です。
初心者の方も、この記事を参考にして配列数式を活用し、作業をもっと効率的に進めてみましょう!